Pale green

ベランダから見上げる空
皆既月食は殆ど終わり
少しだけ欠けた月が
特有の銅色
背を相手に預けて
二人して見詰めて
月が元の姿に戻ったのが
何時か気付かない程
相手の顔ばかり見ていた

Pink

和耶・陽・光・吉野と
カラオケに。
渋谷ハチ公横にある
喫煙スペースで
一服し乍待ち、
吉野以外と合流。
其れにしても
在る意味混沌と
化している面子である。
その後電車で
横浜に向かい、
四人して迷子。
言っておくが私に
土地勘は無い、
頼るだけ無駄と言う物だ。

Gold

満月に近い、月。
光を浴びる、
ムーンストーンの浄化。

怖い程に凪いでいる。
考えないようにしている。

明日、貴方は顔を隠す。

Platinum

早めの『タダイマ』
返す『オカエリ』
たった一晩なのに
妙に淋しがっていた腕が
相手の身体を抱き締めて
漸く落ち着く

Chestnut

滴る鈍色
抱いた腕の
袖がジワリと染まる

もう嫌だ　と

何時だかに
言った筈だろう？

懲りない相手と
懲りない自分と

成行　と言ってしまえば
其れ迄なのだが
捨て置く事も出来なければ
ひゅーひゅー鳴ってる
其の音が
潜まり止むのをじっと待つ

呻きは聴き飽きた
たまには叫んでご覧よ

Lilac

刹那なる時間。
前日に限って
帰宅が遅い、
其れでも
言葉だけ、と。

明日になれば
一晩だけぽっかりと
腕の中が、空く。
其の隙間は愛猫か
抱き枕かで埋めるとして。

されど頭の片隅で
『別に代わり等』
とも思う。
この温もりに
代わり等在る筈が無い。

Violet

休みがちな仕事に行こうと思ったけれど、
気になる事が出来てしまい結局自宅に留まって。
問に対し返って来た言葉に一寸、嬉しくなったり。

別に、甘やかしている気は無いのだけれどね。
只自分が良いと思ったからそうしているのだし。

しがみ付いたまま、
夢に堕ちた可愛い人の額に口付けて。
今宵も確かな温もりを腕に抱いて眠る。
少し肌寒くなった最近は、この心地好さが手放せぬ。

これは、所謂一つの依存に入るのだろうか（悩）