Long, long bathing time

昔の記憶、
一年半程前の。
他人に因って
植えつけられた記憶、
塗り替えるべく
同じ事、してみて。

違うのは口調位、
やってる事は殆ど同じで。
響く声音が艶めいて、
たった一音、
漏れた吐息すら
耳に心地好く。

義務じゃないからホラ、
こんなにも心浮き立つ、
さざめく水面の様に。

以前、
『本当なら此処で
終わらせたかった』と
思った所で終了、
幸か不幸か。
だからあの記憶は
手放そう、
無かった事に
出来ぬ代わりに。

そして幸福な侭
ベッドで夢に揺蕩う。
温かくて愛しい躯を抱いて
波が引く様に意識も引く。

目を伏せる頃は
殆ど朧気。
莫迦な事を口走ったかも。