前日

あの場所で、
纏ってみて、
姿見鏡を見て苦笑。
莫迦らしいと
結局脱いで畳んで
箱に戻す。

身長を気にしなければ
女に見えるなんて、
遺伝子を一寸恨む（ふ）


明日は、
晴れるだろうか。

未練

見苦しい、
でも解らないでもない。
引き際は弁えているが
そうも出来無い程に
愛してしまったら、
自分ならば
どうするだろう。

･･･なんて、
少し考えて、止めた。

身を引いたとて、
慕情は結局胸の中にて
燻っているのだろうし。

キスしました。

何時も、してるし（ふ）
ご指名とあらば幾らでも。
指先、手の甲、
頬、口端、額。

誰にだってしてあげる、
唇以外ならば。

―――何処をお望み？

のんびり

目が覚めて、
細君の寝顔、愛でて。
目覚めた相手に
毎度の如くイソギ状態。
温かいベッドの中、
のんびりまったり
丸々一日独占状態。

あ、駄目、うん、
嬉しい言葉、沢山。

ぐねぐね

捩れていても、
他人から見たら
そんな風でもなくて。
でも自分は、
性格、悪いとか思う。
でもそういう所も
ひっくるめて『好き』と
言ってくれる人がいる、
幸福。

あの人の事を考えて、
遣る瀬無さや憤り、
伝わってくる。
早く終幕が訪れれば良い。
そうしたら酒でも奢るか、
其の時はまた気兼ね無く、
のんびりとグラスを
傾けたいものだ。

膝枕

日中、
猫を膝に乗せて、
ぬくぬくし乍
パソコンの前。
矢張り目薬は欠かせない。
此処の所掛かりっぱなしの
仕事をしていたから
目がしょぼしょぼ。

『タダイマ』に
『オカエリ』と。
夕暮れ時には膝上の猫は
もう居なくて、
代わりに細君を膝枕。
温もり、気持ち善くて。
気持ち善くて･･･
気がついたら真夜中、
うっかり寝てた（がくり）

ちょっと泣けた、
己の間抜けさ、に（ふ）

NO WAY

不意に目が覚めた。
醒めた、みたいに。

少し欠けた月、
深い深い、闇。
闇よりも怖かった、真白。

微かに感じる呼吸
囁く様な低音の声

また、言えなかった。
何時も言えない、
大事な言葉は、何時も。

『　　　　　』
其の、一言すらも。


喉、変にカラカラしてる。