Attraction of the moon

麻紐で作ったブレス、ムーンストーンの石を編みこんだ物。
腕につけて、何時ものカフェの、二階テラスへと。
風に乗って何処か近くで降ってるらしい雨が、ちらほらと舞っている。
厚い雲、暗い空。
『今夜は満月、拝めそうにねぇな』
ポツリと零した相手と共に結局室内へと入ってしまって。

その後どうかと尋ねたら、新学期に向けての準備が忙しいらしい、
結局件の人は退職してしまったらしく、互いに遣る瀬無い気持ちとなって。

落ち着いてきた刺青が見たいと言うのでシャツを引っ張りあげて晒したら
際どいとか言われた、確かに私もそう思う、見せてからそう思った（苦笑）
墨と墨の間、肌を突っついてくる、
気を遣っているのならば触るなと言っているでしょうに（笑）

ブレスを海の濃度の塩水につけている間、
個室でダラダラと取り留めの無い事を転がって話していた、
少しばかり落ち着いた相手は、穏かに笑み乍毎度の言葉を紡いで。
ただ頷く事しか出来無いけれど、
相手が頷きに大して嬉しそうに笑むから其れで良いのだろう。

帰宅して、あの人をからかって、悪戯して、可愛くて撃沈して。
眠いと零され乍ベッドに引きずり込まれて。

一緒に眠る。