Heat Healing

ほら、踵を返せば
矢張り弊害が出てくる

あの闇
今の闇より一層深き闇
在るのは漆黒と褐色

戻ろうと思えば戻れる
只己を呼覚ませば良いだけ
既に芽が出ている
摘んで引抜こうとしている
根がギリギリ土を抱いてる

癒す方法が一つしかないならば
『無理だ』という他答は無い。

普段ふざけて呼ぶ名が
たった一度、一度だけ変わる。
その一言で悟る本心、
ただ言の葉として明確なる物を示されなければ、
幾らでもはぐらかす狡い人間。

ほら、聖母マリアとは程遠い。

躯を重ねる事で戻る『過去』は愛も恋も知らずに
ただ求められる侭に身を委ねていた私だと言う事に
気付いていているのだろうか、知って尚、求めるのだろうか。

躯と言う器に幾ら欲を注いでも私の魂が其の躯の中に無ければ
与えたり得たりする悦楽もまた偽りと成るのを理解っている？

それとも私をヒトにする気か？
―――間に合って居るよ。
あの人が私をヒトに変えて、
今愛している人が
『私』を保たせてくれている。