手紙

深く、想っている。
されど伝わらず。
『確かにこれでは』と
思いはすれど、
あの人の想いは
個人的に其れなりに解る。

『何が欲しいか』等
本当は問うのではなく
感じ取るもので。
若しくは自然と解る、
愛しき人を
見詰めていれば。

奥床しさも美徳と取れるが
時に貪欲さを露わにしても
良いのでは無くて･･･？

鳶に油揚げを
攫われる前に、ね。

Restraint

四方八方琉璃の壁。
息が詰まる。

･･･筈、なのに不思議。

YES YES YES.
However, 
It's not only that. 

―――Luv ya.


もっと刻んで、
深く深く、貴方を。

紫

その色は好きな色であり
同時に嫌悪すべき色であり
菫がかった紫が染める空を
見上げては胸が軋みを上げ

今の身の内を
明かす気は無い
過去の幻影は幻影の侭
夢から覚めたと思うが良い

確かに存在していた
但し其れは遠き過去の事

金糸雀

あの頃は若かった、
されど荒んでいた、
向けられた感情は
信じ難く、
応じる気すらも無く。

小窓から見た
紅蓮の夕日を
思い出した。

問うて置き乍
離れたあの時の私の、
罪に対する懺悔を。

存在意義

誰かに必要とされたから、
よりも。

誰かを、何かを、
必要として
自分は『此処』に居て。

誰かが、何かが
自分を必要と
してくれているから
存在している訳では

無い。

うとうと

帰宅して、
寝て、
目が覚めて。

唐突に思い出した。

可愛らしいあの人への
遅れまくった
誕生日プレゼント。
強請られた物を
どうしようかと。

朧気な頭の癖に悩む。

また、うとうと、
睡魔に攫われそう。

目が覚めたら
きっと一から悩むだろう。

ああ、カクテルも
考えなきゃ。

カレイドスコープ

欠けた月、仰ぎ乍。
只つらつらと思い出話、
何時もの事。
最早風化の一途を辿る、
其れしか術を持たぬ人の
残滓がキラキラと。
筒状にした
手の中を覗けば
心の中に
カレイドスコープ、
覗く度に見え方が違う。

掻き消す様に両手を揺らし
隣の相手に苦笑した。
もう総て
受け取ってしまった、
だから後は
消えていく様を
己の中で感じるしか無い。


相変らず莫迦みたいだ。