LOVE

『愛してる』の言葉は
時として酷く痛く感じ
されど其の想いは
返せねど
受け取らざるを得なくて

あの『愛してる』は痛い
でもお前の其れは
酷く心地が良い微熱湯で

未だ、浸かったまま。

『辛いなら、動きましょうか』
其の言葉は有難いけれど
優しいお前の手を
私の事で煩わせたくは無い
喩え本望、と言われても
喩えお前に掛かれば容易くとも
己の事は己で始末を付けたい。


愛しているから見守っている
貴方が愛した人に愛されて
心穏かで貴方らしく在れる様に

そんな事を微笑み乍口にして、
その癖次の瞬間
『何かあったら攫います』
なんて、
やたらと真顔で言われても
『攫える物なら攫ってご覧』
で、終わる。

誰かに攫われる気は毛頭無い。
何時だって私から進むのだし。
其れを理解されているから
敢えてそんな事を
言ってくれるのだろう。

小さな焔がゆらゆらと
絶えず揺らいでいる、
消える事無く。
其の灯火を目印にする事が
多々有る事に気付いている？

『でもたまに辛くも成る』
言葉に対する返事は
『其れが私の狙いです』
・・・意地悪紳士め。

『幸せ？』と訊かれて
『幸せ』と答えたら
『なら私も幸せです』と。
そんな風に言ってくれる、
お前は矢張り微熱湯だ。

そんな微熱湯が好きだ。




ただ。
だからってピンクのフリフリな
エプロンは要らない（がくり）