鳥篭

朝起きて、
寝惚け乍シャワーを浴び、
其れでも未だ目が
覚めなかったらしい。

夜、細君に言われて
シャツの中を覗き込み、
漸く自覚。

躯中、あの人の印だらけ。

仕事始め

年明け一週間、
漸く店に今年初出勤。
黒服さんは相変らずで、
自分としても正月気分は
既に抜けきっていて。

煙草を一本、
客待ちの間に。
流石に明日が平日だと
ゲストも忙しいらしく、
きっちり一時間で退勤。

帰宅したら細君が
可愛い猫になっていた。
眠ってしまった彼に
先に強請られたご褒美、
剥かれ掛けのシャツを
脱ぎ捨てて。

直接の温もりを感じて
この腕の中でお眠りよ、
可愛い私だけの猫さん。

涙

猫の紫苑が
静かな眠りについて。
ささやかな弔いを
海でひっそりとして。

細い細い月、
新月数日前。
微かな月明かりの下、
また仔猫を拾った。

月。

Bull Shit

新年会、
非常に愉しい時間だった。
一時を共に過ごした
私の大切な人達に、
心からこの言葉を
告げさせて頂くよ。


『貴様等皆地獄に帰れ』

悔

新年会の前に
今年は先に
罰ゲームの餌食を
決めてしまおう。

そう言い出したのは
例に依って狂犬で。

トランプだ花札だと
何で勝負をするのか
相談の結果、

いっそ初打ちしよう。

そう言い出したのは
パチンコ狂いの面子で。

総勢九名で
パーラーにいそいそと
繰り出してみた。

･･･納得行かない。

元旦

実家へと足を運び、
両親に新年の挨拶を。
正月でもなければ
滅多に口にしない餅を
雑煮で食べてからは
去年の事や
今年の事をつらつらと。
･･･と言っても
近々来る成人式を
どうするのか、とか、
そう言った事位で。

『一生に一度だから』と
言われた所で
袴等着たいとも思わず、
和装か洋装かで
始まる小競り合い。
個人的にはスーツの方が
着慣れているし
其れなりに良い物も
揃っているのだから
良いのだと思うのだが、
相変らずあの人は
イベントが好きで
堪らないらしい。

初日の出

カウントダウン、
自宅で迎えて。
出掛ける細君を
見送ってから、
自分も近所の
神社にて参拝を。
直ぐに帰ってきて、
後はただ只管に
メールのやり取りに
感けていて。

始発に乗って
湘南に向かい、
藤沢で一弥と流と合流し。
三人で江ノ島に
着いた所で吉野が加わり、
浜辺を歩き乍
日の出を待って。
ゆっくりと藍から白、
そして朱へと変わる空を
じっと見詰めていた。



最初に雲が金色に輝き、
ゆっくり昇っていく太陽。
あの何とも言葉にし難き
美しい色に息を飲んだ。