Land mine

鏡を見るたびに感じる違和感、相変わらずで。
たかがピアス一つなれど無くなると淋しいものである。
早めに仕事を切り上げて駅前をふらつき乍何か適当な物をと探してみるが、
どうもしっくり来るものが無くて。
あの鮮やかなサファイアと同じ位心惹かれるものが無いだろうかと考えていたら、
某人が『ブルームーンなんて如何？一寸高いですが貴方らしくて似合いそうです』と。
普通のムーンストーンならばブレスレットで持っているものの、
ブルームーンは聞いた事が今迄無かったので探してみた。

ロイヤルブルームーン、乳白色の中、光の加減によって蒼く浮き出る石。
とても綺麗で気に入った…が、問題はこのピアスが有るかどうかだったりする。

と言う事でアクセサリーショップに勤めているあの人に相談を持ちかけ
出張販売の約束を取り付けてみる、
あの人の眼力ならば信用出来るので愉しみ。

仕事帰りの恒例一服、休み処を探していれば海で見つけたあの人。
直前迄メールでのやり取りをしていたのになんて偶然（笑）
そのまま一服、海に向かって叫ぶ相手に触発されて、
物は試しとネタ的に私も叫んでみたりして。
『お母さん』だなんて母親にも滅多に呼ばないのに
こんな所で叫んでどうするんだとか突っ込みは無しにしておいて頂戴（ふ）

一つ一つ約束めいた事柄を消化していく、
些細なものなれど叶っていく其れ等が酷く愛しくて。
繋いだ手の温もりを感じて居る最中にポケットの中の携帯電話が不意に震え、
悟られぬようにちら見をしたら。

『デート中お邪魔様』

…親愛なるマネージャー様、貴方って人は…（耐笑）
久し振りにメールが来たと思ったら此れですか、
うっかり通り掛かられたらしいので
嫌がらせに今度酒飲みに誘わせて頂きます（笑）
一度流れて居るのでさっさと日にちを決めてしまわないと
ズルズルと後回しになってしまう罠（哀愁）

潮風に身体の熱を奪われる前に相手を我が家へと連行、今宵の抱き枕。
あの地雷を何時か踏んだら真性サディズムに火が付くので
踏んで貰いたいような、避けて貰いたいような、
そんな曖昧なポイントに隠されている、地雷。