see you again

明け方に目が覚めて。
至近距離で、一定感覚で上下してる、肩先。
朧気に見えて、酷く安心して、また夢へと堕ちて。
次に目が覚めた時には一人だった、
時計を見れば既に『王様のブ●ンチ』が始まっていた（ふ）
用意されていた玉子粥を有り難く食した後、
思い出したように冷蔵庫を開けたら
夜買ってきた桃がカッティングされていた。
彼用のお土産だったのに私が食べて良いのだろうか…
悩みつつ、でも結局は食べる（貴様）

昼前には自宅へと戻り、着替えて。
旅立つというあの子を見送りに。

『何処へ行くの？』の問い掛けに『流浪』と一言。
淋しくなるね、あのスケスケの卑猥衣装がもう見れないだなんて（待）
『どっかのアダルトショップか風俗店で働いてるかもしれねぇよ』と
鼻を鳴らし乍臆面も無く言い放った彼が彼らしい。
紫の襦袢も、黒のシースルー制服も廃棄してしまったと言っていた癖に
『結局そういう生き方しか出来無いらしい』と
身に付けている指輪に口付け乍零した唇が、複雑そうな笑みに歪んでいた。

餞別に、と押し付けられた紙袋。
何だろうと中を覗いたら…
スキンとジェルと媚薬キャンディーですか、そうですか（耐笑）
でも一つだけ、チュッパチャップスのチェリー味が入っていて、
『ああ、彼らしい』とまた思った（笑）

天涯孤独で若いうちから水商売に身を浸し、
其れでも気高く生きていた彼ならばきっと何処に行っても大丈夫。
遠い地へと行ってしまっても、彼の幸福を願って止まない。
それと、『奇跡の再会』が何時か彼に齎される事を。
―――――元気で。