Pure black

待ち合わせの時間通りに、その場所で、待つ。
約束を違えず訪れた相手を奥に誘い、
夜毎繰り返していた文句を今宵も口にして。

敵対心剥き出しだったのに
初めて彼から寄って来た。
黒い彼でも可愛げが有る。

でも『可愛い』で終わり。

たった数日で告げられた、其の告白は信用出来無い。
飽く迄お遊び、最初にそう言ったのは貴方だろう？
序でに私も言った筈だよ、長くは居られないってね。

帰る場所がある、ともね。
・・・ああ、漸く帰れる。

Violet

解かれた包帯、湿布を外せばほんのり赤みを帯びているだけで、
もう既に大した痛みの疼きも感じない。
尤も人が感じる痛みの度合いとはその人其々であり、
『どうして怪我を負った？』と問われて答えてしまえば
『まだ結構痛い筈だ』と言われそうだ、一般的な返事としては。
其れでも動くし疼きが気になる程度なので
当人としては至って平然としているものである。

結局の所顔や見えるような箇所に痕が残らなければ
個人的には問題は無い。

だから、理由は言わない。
説明が面倒だし（貴様）

Bright red

近場で揉め事があった。
此処では日常茶飯事だ。
止めもせず見守るでも無く
只、通り過ぎた。


通り過ぎた癖に後になって自宅を訪ね『大丈夫？』と
扉をノックしたらスプラッタな顔があって。
お約束的に『日常茶飯事』と笑われた。
其れが日常とはどんな生活を日々送って居るのかと
小一時間問い質したくもなるが止めておいた。

余り無茶をおしで無いよ。
大事な右手なんだから。

Summer Perfume

今宵、一周年。
何て事は無い、ルナに就職して、だったりする（ふ）
店オープン時間に合わせて出勤してみれば
同期のホストとタイミング良く合って、
ひっそりと祝う物と思っていたので有り難かった。
折しも今宵キャンドルナイトの初日故に、
持参したポットに蝋燭をセットし焔を点し
普段より柔らかな光をカウンターに置いて、
ささやかなお祝い、夏に因んだカクテルをチョイス。
そう言えばと思い出した某賭けの勝負も序でに繰り広げてみた、
コインゲームではつい先日ゲスト相手に負けていたりするので
今宵こそは、と思ったのだが･･･また負けた（かくり）
罰ゲームは個人的に非常に屈辱的な物だったりする、
最初は彼がやる筈だったのに何故勝負に発展したか、
まずその辺からして謎である（貴様）

別れ道迄小雨の中を相手と共に、紫陽花を眺め乍。

どうでも良いがのんびりと寛ぐ時間が取れたら、
フローティングキャンドルを風呂に浮かべ入りたい。
夜明け前にその焔を眺め乍
明るくなるのを待つのが結構好きだったりする。

Night of candle

夏至。
一年間で一番夜が短い日。
『100万人のキャンドルナイト』をご存知だろうか。
今年は22日から24日迄の20時から22時迄、
電気を消して蝋燭の灯火だけで過ごす、スロータイム。
柔らかな灯火に照らされて
生けとし生きるもの総てに倖在らん事を。

職場にもキャンドル、
持ち込んでも怒られないだろうか（ドキドキ/笑）

Combat beginning

スーツとシャツを数枚、
鞄に詰めて、眠る彼の頬に口付けを落として。
『いってらっしゃい』の言葉は受け取った。

約束の日迄一週間。
さて、巧く予定を合わせて片付ける事が出来るかな。

片付けるけれどね。

canaria

米で作ったワインらしい、和耶から頂きました。
葡萄や林檎のワインは結構飲むのだが、
米でも作れるものなんですね･･･何でも有りか？（違）
よく冷やして飲ませて頂きます、有難う（深々礼）