キッシュ

学校帰りにスーパーへと寄る。
野菜棚の前で小一時間悩みに悩む。
何を作るか決めたのにも拘らず
食材を買いに来た所で何を入れるかまた迷う。
とことん決断力に欠けるのだろう。
その場で携帯を取り出し意見を求める。
結果は殆ど同じ意見だった、友人に感謝。
素晴らしかったのは内三人が
『いっその事全部入れてしまえ』だったので
その辺素直に従う、美味しいと自分も思ったから(笑)

包丁は使わなくても生きていける、
皮剥き器と鋏があれば大丈夫だ、と
料理好きの人が聞いたら『お前等』と言われそうな
会話をメールで繰り広げながら焼きあがるのを待って、
出来立てに緩くラップを掛け、袋に入れて。

いざ、料理勝負。
結果。
…うん、負けた。
でも負けても嫌ではない『負け』だ。
美味しいドリアとワイン、
其れと甘いデザートを食せたから。

最近初めて訪れるお宅が多い。
今宵もそうで、
彼らしいシンプルな内装、居心地の良い空間。

出会った時の事、お互いフロアで必死だったと懐かしむ。
初めて会った時に彼の渾名を呼んだ時から、
きっと『悪戯』は始まっていたのだろう、
何かを企てては実行し、相手の反応を愉しんで。
かと思えば相手からも思いがけない提案が飛び出たりと、
だから現在進行形で悪戯や勝負が続いているのだろうね。

悪趣味かもしれないが、
自分が何かを企んで、其の策略に乗ってくれて、
悔しがる人の反応を見るのが好きだ。
普段私を悔しがらせている人ならば殊更に。


其のお願い、確かに複雑になった。
術を知らぬのが解っている癖に(笑)
因みに私が願おうとしていた事は、
実は貴方の『お願い』の延長で叶った罠。


朝迄飲み食いし、それ以上に色んな事を語り合って。
既に空が白んでくれば、結局お泊り。
貴方を抱いて昼迄眠る。
色々とご馳走様でした(合掌)

夢現に響いた言の葉は、
今度ちゃんと、貴方に、多分（笑)