螺旋階段

届いたメール、茶化して返し。
耳元で囁かれた言の葉に、ただ微笑んで。
残酷だと言うのなら其れで良い、他なる術を、知らない。
息も付かせぬ程の速さで一刀両断すれば未だ傷は浅く済むのか、
そう思えど命まで奪ってしまうのやも知れないという危惧がある。

『最後』、その言葉が私を苛ます。

どんなに辛かろうと、切なかろうと
私があの人の『最後のパートナー』だという事実は変わらなくて。
その『最後』を背負うには私は未だ幼過ぎた、子供だった。
ただ、子供なりに背負いたかった。
あの大きな手を取った時から総てを受け入れた、あの人の為に泣こうと。

でも。

あの人の最後のパートナーである私の
最後のパートナーはあの人には多分、ならない。
私の心一つで覆る、其れを解っていて尚も縛る言の葉を残したのだろうか。

あの人は、遺される私に何を託したのだろう。
其れが、解らない。


真っ暗闇の中で微かな光を掌に包み、
その光の意味を、探す。