二十五度

遅番出勤、暇潰しの煙草にマッチで焔を点して。
二口程吸った所で久方振りの顔。
本当にワンシーズンに一度のサイクルでしか訪れない人。
連絡を取り合ってはいる物の、こうやって顔を合わせる機会は実に少ないが
お元気そうで何よりです。

暖かなアルコールで内側から温めて、
掌から伝わる温もりを、外側から。
他愛の無い会話の中で一つ、二つ、約束を交わして。

相も変わらず、可愛い人。
店内では貴方だけの恋人に。
幾らでも重ねて下さって構わないから。

見上げる、三十五度の角度で、一番ベストな、角度で。
そうやって顔を上げると大抵見下ろされるのだけれど、
膝を少し屈めて、目線を合わせてくれる人が、居た。
顎を引くと決まって至近距離で微笑を浮かべ、
『そうやって見つめては行けないよ』と諭された。
それでも見上げ続けた、どうしてか解らぬまま。

アイツがくれた言葉はあの人にとっての答と同一だろうか、
『多分同じだろうよ』と笑い飛ばされたけれど。


仕事明け、丁度自宅に帰り着いた頃に鳴ったメール、『お疲れ様』。
相変わらず可愛い事をしてくれる、途中本気で眩暈を起こしかけた（笑）

ホラー映画は誰か居ないと見れない、序に布団を頭から被る。
だけれど『バ●オ・ハザード』は淡々とやり込む、違いは何処だろう。

めったにやらないような人がたまに潤んだ瞳で見つめてくると
くらり、ノックダウン予想。
『めったにやらないような人が』と言うのがポイント。

のしかかってきたらひっくり返す、馬乗り拘束後々は私の好き放題。
…こんな事を考えたり実行したりしているから性質が悪いと怒られるのだろう、
だけれど日頃見上げている人をたまには見下ろしたい。

どうでも良いけれど最近接吻魔振りが絶好調を迎えている、
キスするわ噛み付くわ舐めるわと実に節操が無い。
きっとアレの所為だ、キスバトンの（笑/…えない）