Deep psychology

所詮戯言

『強い』
『毅然』
『勝てる気がしない』

何度言われた？
言葉は魔法、そうなっていく、自分。

『弱い』
『脆い』
『心配で見てられない』

言われる度に、隠せるようになった。
ポーカーフェイスが巧くなった。


強く在りたいと願った、
強く見せかける事が出来た。
…所詮見せかけに過ぎない、
だけれど他人に不快な思いをさせたく無いし、
自分もそうした事で凹みたくも無いし。


不安で仕方が無い。
でも口に出したくない。
己の『弱さ』を認めたくない、無駄な足掻き。
気にして何になる、と、素知らぬ振りをして握り潰す。
一旦やり過ごしても、圧縮されたモノが掌の中に残ってる。


もうあの時のように取り乱したくはない。
あんな姿を見せたくはない、
変なプライドが仮面となって張り付いている。


ああなったのは溺れていたからで、
冷静さを取り戻してもふとした切っ掛けでフラッシュバックして、
たまたまスイッチを押した人間に縋り、やり場の無い想いをぶつけて。

自分らしからぬ一面がトラウマになって逃げていた、
微熱湯に揺蕩って楽な方へ、楽な方へと。
そうし乍繰り返すまい、同じ轍は踏むまいと
心の整理をつけて、もう大丈夫だ、と思える迄頑なを貫いて。


ある程度の自信は有る。
其れなのにこんな所で何を弱っているのだか。
今区切りを付けなくて如何するんだ。


また握り潰せ、今度は掌に何も残らない程、強く粉々に。



強く。