太夫

赤と濃紺の装束、
結い上げた髪に
簪と紫苑の生花。
何時だかに
相手に差し上げた、
紅に染まった扇を
手渡されれば
『太夫、おかえり』と
懐かしげに呟かれた。

―――嬉しくない。

傀儡

夕方、
仕立て上がった
スーツを引き取りに。
結局相変らず
黒の細身スーツ、
ブランドだけは
母親が煩く薦めるので
GUCCI。
上質のウール、
肌触りも良くて
着心地は抜群。
オーソドックスな2つ釦、
スタイリッシュな存在感は
母曰く
セクシーでスタイリッシュ
らしい。

偶にはナロータイでも
合わせるか･･･。
コーディネートに
結構迷う（ふ）

成人式の祝にと、
細君が何やら
用意してくれている模様。

今から楽しみ。

星見

のんびり出勤、
遅出、と言った方が近い。
黒服さんの仕事を
一つ、奪い取って
カウンターを拭き掃除。
其れが終わった所で
何時ものミント酒、
一杯だけ貰って
帰ろうとした矢先に
ホストがもう一人出勤。

ちびちびグラスを傾け乍
つらつら話す正月話。
既に正月気分は
終わってしまったが
名残位は、と。（笑）

上がりがてらの星見、
月が無いのが残念だが
今宵も星が綺麗だ。

遊戯

知人と行ってみた、
珍しくホスクラではなく
メンキャバの方に。（笑）
尤もホスクラもキャバも
内容的には大して
変わり等無いのだが。

自分の職場だったり
通っているホスクラは
どちらかと言うと
静かに寛げる
『バー』的感覚なのだが、
今宵行った所は
矢鱈と盛り上がっている。
STEMをふと思い出した、
あそこも結構
明るい店内だったし。

フリータイム飲み放題、
淡々と飲み乍
刺青の話をしたり、彼是。
背中と左手の甲に
彫ってあったトライバル、
序でに耳や舌に
空いていたピアスに
何処ぞの誰かを
思い出したりして。

花園

咽返る様な香り、
廃れた廃墟の一角に
咲き乱れている薔薇。
初めて訪れた場所なれば
待つ間、胸、ざわざわ。

フードを深く被った相手に
手を引かれて向かった
温室は種様々な花々、
篭る香りに、クラリ。

ああ、そうだった。
彼はそう言う人だった。
可愛い顔をして
容易く罠を仕掛けてくる、
この香りは
普段彼が纏っている物と
同じと気付いても後の祭。

･･･其れ以上は駄目だよ。

身を滅ぼす前にお帰り、
未だあの天蓋付きベッドで
寵愛を受けているのなら。

鳥篭

朝起きて、
寝惚け乍シャワーを浴び、
其れでも未だ目が
覚めなかったらしい。

夜、細君に言われて
シャツの中を覗き込み、
漸く自覚。

躯中、あの人の印だらけ。

同居バトン・その3

地雷と化していたので
答えさせて頂く。

･･･（悩/何）