バックス・フィズ

ミモザ、とは一寸違う。
たまにイコールで結ばれてたりもするけれど。
バックスフィズはロンググラスにオレンジジュース、
其れよりも多い量のシャンパンを注ぎいれ、
炭酸の力で混ぜ合わせる。
緩くステアして出来上がり。
思い出せば自分で作るカクテルは皆炭酸系だ、
例外としてカンパリオレンジ。
…ともすればオレンジかシャンパン、の、
どちらかが必ず混ざっているのに思わず笑った。

協会のバーで知り合った人と
久し振りに酒の飲み比べを、ビールで。
良い飲みっぷりをする、見ていて爽快。
お陰で久し振りにジョッキ二杯を立て続けに飲んだ、
仕事前だと言うのに忘れていた（苦笑）

ゆったりとした時間を有難う。

一目惚れ、と言う感情を私は知らない。
相手と出会い、知って、ゆっくりと知って行き…
気付いたら愛し始めている自分に
何時も気付く、といったパターン。
故に全身打ち貫かれる、と言ったような、
そんな感覚を、彼の言葉を聞いて味わいたくなった。
…と言っても、願った所でそう易々と体験する事は難しい。

其々違う恋愛方程式が個々に宛がわれているのだろう、
たまたま私は時間をかけて誰かを愛する部類に属していただけで。
―――そもそも時間をかけた所で
本当に『愛している』のか解らない。

ねぇ、…匠。
私は新しい恋を、出来ると思う？
貴方への想いを総てを振り切って、
待ってくれている人に答を告げて良い？
それとも気になる人へと、近付いても良い？

風化した足枷を、壊して良い？
…私自身の手で、断ち切っても…。